こんにちは✨
鬱病歴がもう4年になってしまった なつみかん です(#^^#)
※再発もしているので、通算ではほぼ10年になります💦
あなたは、「感謝」や「感謝をする」ことに対して、
どんなイメージを持っていますか?
感謝をすることは、頭では良いことだとわかっているけれど、漠然と「感謝しよう」「感謝が大事」と言われると、
なんだか反発してしまう…
まして、
「感謝することでうつ病がよくなります」
なんて言われたら、何かの宗教や民間療法みたい…と敬遠してしまいますよね💦
私も、感謝を強要されたり、目に見えない非現実的なものを崇拝せよ、みたいな意味合いで語られたら、きっと反発心をもってしまうと思います(^^;)
でも…実は、
「感謝の実践がうつ病の症状を軽減させる」ことは、研究によって示されています。
私自身も、感謝をするようになってから、回復が急激に進んだことを実感しています。前向きな気持ちを維持できるようになったり、感謝の気持ちを表現することで、家族との関係もより良好で協力的になりました。
また、再発を防ぐために「自分を見つめ直す」際の力になってくれたりと、良いことばかりでした(⌒∇⌒)
ちょっと胡散臭い…と思われるかもしれませんが、
今日は「感謝」と「うつ病回復」の関係について、体験談を交えながら書いていこうと思います。
感謝を始めたきっかけ
私が「感謝」をし始めたきっかけは、夫に
「ごめんなさい、じゃなく、
ありがとうと言ってほしい」
と言われたことです。
時期としては、急性期から回復期にやっと移行しはじめた頃でしょうか。
自責の念と「ごめんなさい」
この頃は、発作的につらい感情に襲われることがまだまだ多く、吐き気、動悸、めまいが頻回に起こり、家事は洗濯をするのがやっとでした。
眠りたくてもなかなか眠れず、家事をやらなければと思うのに、なぜかからだは動かない。
具体的には、
「目の前に落ちているティッシュのゴミを拾って捨てる」ことすらできず、
「手を伸ばせば拾えるのに、さっさと捨てればいいのに、なぜそれもできないのか」とぐるぐると悩んだりします。2、3時間も。
捨てないなら捨てないで他のことをすればいいのに、それもできず。ティッシュのゴミを見つめたまま苦悩する。
回復した今となっては信じられないことですが、これ、本当なんです。
こんな自分が情けなくて、悔しくて悲しくて、不安でした。なぜこんな簡単なこともできないのか、自分はこんなにも怠け者だったのか。
こんなことでは、いつか大切な家族にも見放されてしまうのではないか。
そんな風に考えて、自分を責めてばかりいたから出てくる言葉は「ごめんなさい」ばかりでした。
”家族の負担”を自覚
その日も夕飯が作れず、自分を責めて苦しくて、
夫が帰ってくるなり、泣きながらこう訴えました。
「今日も洗濯しかできなかった。
せっかく洗い物してくれたのに夕飯もつくれなくてごめんなさい。
負担ばかりかけてごめんなさい」
そうしたら、夫はこう言ってくれたんです。
「洗濯しか”できなかった”じゃなくて、洗濯が”できた”んでしょう?
洗い物して喜んでくれたなら”ごめんなさい”じゃなくて、”ありがとう”って言ってくれたほうが嬉しいな。
そもそも負担だと思ってないよ。(私)ができないことは俺がやればいいんだよ」
この言葉を聞いて、ハタと気づきました。
私は「申し訳ない」気持ちを伝えるばかりで、自分が許されたいばかりで、
感謝を伝えることを怠っていたのです。
考えてみれば、
”朝家事をして仕事に行って、疲れて帰ってきたら嫁が泣いて謝罪ばかりしてくる”
って状況は普通にしんどいですよね。
家族は私の状況を受け入れて一生懸命支えてくれているのに、です。
いつになったら良くなるのか、家族だって不安なんです。
献身を無視されたらつらいんです。
私は自分のことばかりで、家族の気持ちを考えていなかった。これは良くありません。
前進と感謝を取りこぼさない
それからは、「できたこと」「嬉しかったこと」を笑顔で報告できるよう心掛けました。自分に限らず、子ども達のことも。
「今日は子ども達が〇〇を手伝ってくれたんだよ」
「(子ども)がこんなことできるようになったよ」
「今日も〇〇してくれてありがとう」
「今日は洗濯が2回出来たよ」
等々。
忘れないようメモして、無理やりにでも笑顔を作って。
日常の中にあるたくさんの「ありがとう」をひとつ残らず。取りこぼすことのないように。
つらい気持ちが軽減
子ども達の良いところを発見し、ほめたり感謝したり。メモして夫に伝える。
夫のしてくれたことに感謝し、「ありがとう」を笑顔で伝える。自分のやったことを記録し、夫にできたことを報告する。
そんなことを繰り返しているうちに、明確な変化が現れてきました。
嬉しいことや楽しいことを思い出して温かい気持ちになる時間が明らかに増え、
それとともに、「嫌なことを思い出しては、後ろ向きなことばかりぐるぐると考え続ける」という症状が減っていたんです。
そして、温かい気持ちになればなるほど、客観的に病気や自分を見つめ直す為の力がついたように思います。
力というか、割り切る強さというか…そんなものが蓄積されていったような感じです。
今でも発作的な感情の動きに涙が止まらなくなることがありますが、
私も家族も「症状がでてきたみたいだね」と、むやみに心配せずドーンと構えていられるようになっています。
パフォーマンスとしての感謝
家族への感謝を伝えるようになってから、
家族関係もそれまで以上に良好になりました。
子ども達に目を向け、成長を喜んだり、褒めたり「ありがとう」と言ったり笑顔を見せることで、子ども達の表情にも自信が見えるようになりました。
もともと私が家事や学校行事に参加できないことに理解を示してくれていた子ども達。
本当は寂しかったと思いますが…家族で笑いあうことが増えてから、なんだか安心した表情になっていったと思います。
夫も、肩の力が抜けてきたようで、よく休めるようになったようです。それまでは一方的に夫に支えてもらっていた夫婦関係が、お互いに支えあっているような、絆が深まったような…そんな心地の良い関係になれました。
常に支えられる一方ではなく、何らかの形で”周囲の支えに応える”姿勢を見せること。これは長い闘病生活を送るうえで、とても重要です。
鬱病患者はもちろんつらいのですが、周囲もまたつらく、多くの負担や我慢を強いられています。
だから、鬱病患者自身からも「周囲の我慢や気遣いを労り、またこの状況はいつまでも続かないという安心をもたらす」ようなパフォーマンスが必要なのです。
感謝は、そういったパフォーマンスとしても優秀だと思います。
「前向き」のパフォーマンス
昔職場で、「何年も同じ愚痴をいう」方(Aさんとします)のターゲットになったことがありました。
愚痴の内容は主に以下
- 「夫がシングルマザーと不倫している。そのシングルマザーに貢ぐため、Aさんの財布からお金を盗んでいく。夫に夜を強要された。
- 「Aさんも職場の年下上司と不倫しているが、あまりかまってもらえない」
- 「トラウマがあり男性恐怖症がでることがある為男性の隣で仕事するのが苦痛」
- 「体のあちこちが弱く、体調が悪いが仕事しなくちゃいけない」
これを、3年前から休憩時間のたびに延々と話します。
そして男性恐怖症のはずなのになぜか男性と二人っきりになりたがり、飲みにいっては翌日「体調が悪い」。
夫婦関係のことにしろ、体調のことにしろ、周囲の人はそれはそれは長期にわたって話を聞き、アドバイスをしてきたそうですが…結局何も変わらず。周囲の人たちが離れていったところに私が入社した感じでした。
本当に心配して、何時間も何日も何か月も話を聞いてあげて、助言をして、具体的に支援する話までしているのに、Aさんは全く変わりませんでした。彼女は、ただ「不幸でけなげな私」をアピールして、周囲の関心を引ければよかったのでしょう。
これはかなり苦痛でした。どんな心配の助言も一切受け入れず、何も変わらず、変わろうという態度がみえない。こんな相手を、誰がいつまでも支え助けようと思えるでしょうか。
打てば響くから楽しい。これはどんな人も同じだと思います。
相手につらい(困った)状況から脱してほしいと思うから、話を聞いて、考えて、助言して、助けようとする。
それなのに、今の状況を誰よりもつらい苦しい変えたいと思っているはずの本人に、変わる気が見えなければ、話を聞くことさえ意味のない苦痛な時間になってしまいます。
最近よく
「正論は人を傷つける。傾聴し、共感することが大事」
という言葉を目にします。似たようなもので「ただ聞いてほしい(吐き出したい)だけ。反論やアドバイスはいらない」などという言葉も、SNS上で頻繁に目にします。
しかしこれは、あくまで
聞いてもらうことで、”癒され、立ち直れる”、”問題を整理し自分で解決できる”或いは”前向きになれる”人に対して有効なのだと思います。
残念ながら、世の中には「文句や愚痴は言うが何もしない」「いつまでも同じ不幸を引きずり前進しない」「悲劇のヒロイン気分に浸って自分を顧みない=学ばない、成長しない」人も、少なからず存在します。このような相手に傾聴、共感をし続けても、相手はその時は満足して、また同じ話を無限に繰り返すでしょう。こうなると傾聴・共感をした側は、ただ時間を無駄にしただけで何の実りもなかったと感じ、疲弊します。
うつ病では、悲観的思考と呼ばれる思考障害が起こります。「健康な時には考えられないほど悲観的な考えに支配され、自分では修正できない」ということが、症状として現れるのです。そしてこれが、個人差はあるものの、何か月という単位で続きます。
数週間・数か月もの長期間にわたって、常にくよくよとツラい気持ちを吐き出してばかりいては、周囲も疲弊してしまいますよね。身近な人や家族もまた、大変つらい状況であることは、想像に難くないでしょう。
つらい感情や悲観的な思考をどうすることもできないことは重々承知していますが、せめて急性期を過ぎたら、周囲への労りや感謝の気持ちを表現し、「回復を目指して前向きに治療にあたる」姿勢を見せることは、非常に重要だと思います。
たとえ心から前向きになれなくとも、パフォーマンスとしてそのような姿勢を見せることで、周囲もまた癒され、応援し、支えてくれるはずです。
感謝の効果と実践
感謝の効果
感謝には以下のような効能があるとされています。
- 身体的効能:ストレスホルモンのレベルが低下、免疫力向上、痛みの軽減、睡眠の質の向上
- 心理的効能:ポジティブ感情・幸福感の高まり、楽観主義を促進し、ストレス・不安・うつ病の症状を軽減
- 社会的効能:他者を助け寛容で慈悲深くなる、孤独感や孤立感の軽減、外向性の向上、
心的な効果のみならず、身体の健康にも影響を及ぼすようですね(^▽^)
また、脳科学的な研究も進み、感謝の気持ちを持つ人は、幸福ホルモンと呼ばれている脳内物質の分泌が盛んになることが明らかになりました。幸福ホルモンとは、セロトニン、オキシトシン、ドーパミン、エンドルフィンなど脳とからだ に良い作用を与えるホルモンのことです。
心理学者アレックス・ウッドの研究によると、「感謝すること」でうつ病のエピソードの頻度と期間が減少する可能性があることが示唆されました。
また、感謝の気持ちを持つ人は、逆境や苦境に立たされた時の回復がそうでない人に比べて早いことが証明されています。
さらに、ダメ出しばかりをしていたり、自責が常態化している人と幸せな気持ちで作業を行っている人では、生産性に差が出ることが分かっています。
感謝の実践方法
ロバート・エモンズ博士は、感謝日記をつけることを推奨しています。
①毎週、感謝していることを5つだけリストアップし、書き出してみる。
②定期的に自分に対する恵みや恩恵、祝福を数える。
自分の人生に大切な人たちに関連した感謝の瞬間を思い出しましょう。
③感謝の動作を心がける。微笑むこと、「ありがとう」ということ、感謝の手紙を書くことなど実行に移します。
いかがでしょうか。
「身の回りにある感謝を見つけ出し」て、書くことで明確化し、それを実際の行動に表すだけ。特別な道具や準備も必要ないので、すぐにでも簡単に取り組めそうですよね🎵
運動や生活習慣の改善はなかなかできなくても、これなら取り組めます。
私は、日記を用意したりはしませんでしたが、メモやLINEに書いたり、家族に話したりしていましたよ。そしてそれを、じっとしているときに思い出すんです。
これをするようになってから、実際につらさが軽減し、回復が早まったと実感しています。
感謝は、それをされた相手にのみ恩恵があるような印象を持っていましたが、あなたが誰かに感謝するとき、実は感謝したあなた自身が最も多くの恩恵を受けることになるのです✨
自分は何も失わず、労力も費用もかからない。損どころか得ばかり✨
じゃんじゃん感謝していきましょう(*^▽^*)
≪参考↓≫
【精神科医が教える!メンタル改善法】-感謝の実践- | 休職に関するお悩み解決サイト
感謝するということの効果と意味 | メンタルヘルス・ストレスチェック・EAPサービスはセーフティネット
どうしても「感謝したくない、できない」方へ
家族の理解がない、一人暮らしであるなど、周囲に感謝をしたくともその機会に恵まれないこともあるでしょう。
そういう場合は、過去の楽しかった経験を思い出したり、今自分を取り囲んでいるすべてのことに対して感謝してみましょう。
晴天のすがすがしさ、そよ風の心地よさなど自然に対してでもよいですし、クーラーの快適さ、スマホの便利さ、それらを作り上げ供給してくれている人達への感謝でもよいでしょう。私たちの生活はたくさんの人たちの働きや努力によって創られています。日常には、感謝できることがたくさんあるのです。
どうしてもそんな気になれない…そういう場合は、無理にしなくても構いません。
私自身、1回目の鬱病の時は、感謝を意識していなくとも寛解し、その後10年発症しませんでした。
感謝はあくまでも「有効な手段の1つ」であって、それができなければ治らないというものではありませんから(⌒∇⌒)
感謝以外の、運動や性格傾向の改善、ポジティブ思考など、自分が取り組める或いは取り組みたいと思える別の方法で回復を目指しましょう🎵
とはいえ、感謝は簡単に取り組めて成果が出やすいので、ぜひぜひ試してみてくださいね(⌒∇⌒)
ではでは
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました✨